地元の契約農家から届けられたえのきたけを煮て、
やや甘口に仕上げた「CO・OP 長野県産うす塩なめ茸」。
ご飯にのせてそのまま食べるのはもちろん、
さまざまなお料理に使っていただきたい商品です。
長野県産のえのきたけのうま味が生きるよう、あっさりとした味わいの専用薄口しょうゆなどで煮て瓶詰めにした「CO・OP 長野県産うす塩なめ茸」。
やや甘口で、きのこのうま味たっぷりなので、ご飯に合うのはもちろん、炊き込みご飯やパスタ、一品料理にも使えます。2000年に、従来品よりも塩分を30%カットして発売されました。
長野県産の野菜や果物を主役にした加工食品を製造する長野興農株式会社の須坂工場で、約20年製造に携わる丸山志起さんに話を聞きました。
「契約している生産者から届くえのきたけは、冷蔵庫で保管し決まった日数以内に使用しています。食べやすい2cmにカットし、なめ茸専用の薄口しょうゆで煮ることで、色味も明るく仕上げています。なめ茸はいろいろな食べ方ができるんですよ」と丸山さんは笑顔で語ります。
えのきたけを煮る工程がおいしさに直結するシンプルな製造方法。釜の近くはとても暑いですが、ぐつぐつと小さなえのきたけが釜の中で飛び跳ね、いい香りが漂っていました。
「えのきたけは蒸気で煮込んでいます。担当者がこの時点で決められた糖度かどうかを確認します。同時に品質管理課もチェックします」
このほかにも、空瓶に異常がないかのチェック(検瓶)、2回の金属検査と2回の重量検査、完成した商品の検品、金属の棒(打検棒)で完成した商品のふたを軽くたたき、音と手に伝わる感覚で密封性を確認する検査と、工程ごとに検査をして確実な商品を製造しています。
「ここで働く皆さんができるだけ良い環境で仕事をすることが、良い商品づくりにつながると思います。思っていることを言いやすいように、朝礼・コミュニケーションは大事にしています。
食べてくださる組合員の皆さんから『おいしかった!』とお声をいただくのがやはり一番うれしいですね。これからも、長野県産・国産の原材料を大切に、安全で安心できる良質な商品づくりに邁進していきます」と笑顔。丸山さんもこの商品が大好きです。
「私はしょうゆの代わりに豆腐にのせてそのまま食べたり、みその代わりに切ったきゅうりにのせて食べたり調味料感覚でよく使っています。たまご焼きに入れてもおいしいですし、フランスパンになめ茸とチーズをのせてトーストしても、きっとおいしいんじゃないかな」と話していました。
アイデア次第でさまざまなお料理に活用もできる「CO・OP 長野県産うす塩なめ茸」、賞味期限は18カ月と長期保存も可能です。食卓のレパートリーに加えてみてはいかがでしょうか。
使用する前日に届いたえのきたけ(写真A)をカット・洗浄・選別します(B)。石づきはカットされて届きますが、おがくずなど余計なものが残っていないかチェックし、あれば取り除きます。計量室で計量し、冷蔵庫で一時保管します
えのきたけと調味料を二重釜に投入し、攪拌しながら蒸気で煮込みます(写真C)。煮込んだら規格に合っているか糖度の確認(D)と、品質管理課がpH(酸性かアルカリ性かを表す尺度)を確認し、異物が混入しないようマグネット式の金属除去機を通し、金属検査をします
なめ茸を入れる瓶を空気で洗瓶した後、割れや気泡がないかをチェックします(写真E)。冷たい瓶にあたたかいなめ茸を入れると割れる可能性があるため、瓶をあたためます。充填機で規定量充填し(F)、金属検査・重量検査をします
ふたをして密封してから規定時間殺菌し(写真G)、徐々に冷却します。賞味期限を印字した筒状の商品ラベルをはめ、熱を加えて収縮させます。ふたは密封性は確保しつつ、開けられないほどきつくならないようにセットしています。すべての商品の重量を検査します。また、1時間に1回の抜き取り検査で、温度、重量、ふたの閉まり具合をチェックします(H)
目視で検品しながら箱詰めします(写真I)。賞味期限が正しく印字されているか、ラベルの状態がきれいかなどを見ています。箱詰め後、封をする前に熟練の担当者が、目視でふたに傷やへこみがないかの最終確認と、打検棒を使って手に伝わる感覚と音で密封性を検査(打検)しています(J)
【広報誌2022年11月号より】