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エピソード60コープデリブックコープデリグループの組合員数は約550万人。組合員の皆さんの数だけ、物語がある。その物語を毎月一つお届けしていきます。描いているのは皆さんのくらしとコープデリの接点。あなたの物語はどんな物語ですか。ろこ新潟県上越市に住む博ひ子さんは、夫と子ども2人の4人暮らし。コープの宅配を始めたきっかけは、小学3年生になる長男の幸こうせい誠くんが生まれた頃、友だちから「離乳食を届けてもらえて便利だよ」と聞いたこと。これまで何人か配達担当が替わったが、どの担当者も「お体、気を付けてくださいね」などあたたかい言葉をかけてくれることがうれしいという。6年前から配達を担当する吉田さんは、3人の子どもを育てる先輩ママだ。年の近い子どももいるから、子育ての話をすることが多い。「幸誠は小さい頃からじっとしていられない子で、幼稚園で先生を困らせていると聞いたときは本当に辛かった。だから吉田さんが私の話を聞いてくれて、優しく励ましてくださったときは、思わず涙ぐんでしまいました」と博子さんは感謝する。………§………幸誠くんも吉田さんのことが大好きだ。「工作が得意で、配達のたびに作ったものを玄関まで持って行っては見せて、また違うものを持って来る、というのを延々とやるんですけど、吉田さんはそれに全部に付きillustration:MaikoDake合ってくれて。幸誠のことを『すごいね』って褒めてくれるんです。配達を終えても一緒に外に出て、吉田さんが次の配達先の準備をする様子をじっと見ているんですよ」と博子さんは話す。小学校入学以降はたまにしか会えなくなったが、今でも配達日が祝日などで会えると大喜びしている。「テンションが上がって、下の子と一緒に家中を走りまわってもう大変。『もうすぐ吉田さんが来るよ』と声をかけると、リビングの窓際に行っては外を確認して、トラックが来ると吉田さんに向かって手を振るんです」………§………1年ほど前、配達日が学校の休日で、「今日は吉田さんの日だよ」と伝えると、幸誠くんは何かを作り始めた。牛乳パックを切ったり画用紙に貼ったりして、1時間ほどで出来上がったのは、世界に一つだけの『コープデリブック』。中身は吉田さんへの手紙と、幸誠くんが大好きな、人気ゲームキャラクター一覧のシールブックをコピーして貼ったもの。手紙には、吉田さんが配達に来てくれるのがうれしいこと、休憩しながら仕事を頑張ってほしいことが書かれていて、トラックに乗った吉田さんのイラストも描かれていた。「久しぶりに会えると思って、プレゼントを用意したんでしょうね。2年生になり、手紙の文章もしっかりして驚きました」と博子さんは振り返る。いつものように商品を受け取った後、幸誠くんが「発表があるので聞いてもらえますか」と吉田さんを呼び止め、手紙を読み上げた。吉田さんは驚きつつも、幸誠くんに何度もお礼を伝えていたが、後になって「あのときは感動して泣きそうだった」と打ち明けられた。今も顔を合わせると、子どもの話になる。先日は「兄弟でゲームをするとすぐけんかになって、言っても聞かない」と博子さんがこぼすと、「うちも同じですよ」と返してくれた。ちょっとした気遣いや共感の一言がうれしい。それは、配達時にいつもトラックの助手席に『コープデリブック』を置いている吉田さんも同じだ。過去の物語もこちらから読めますあなたのエピソードをお寄せください。コープ職員との心に残る出来事を随時募集しています。氏名・電話番号・組合員コードを記入し、郵便(〒336-8526埼玉県さいたま市南区根岸1-4-13コープデリ連合会コミュニケーション推進部宛)か、左記のWeb応募フォームよりお送りください。♦実際にあったコープに関わる人と人との交流を取材し、読み物の形にまとめています。登場する人物の名前は仮名の場合があります。イラストはイメージです。07